★前回授業で音声不調があったので再掲します。動画放映します。
英語と日本語の同時再生のため下記の「注意力実験」ともなります。
■トピックス(ビッグデータ環境の社会とは)
テロの脅威と監視社会
”超監視社会”に生きる
NHK
BS 2015年9月10日
スマホやPCを通して、私たちはEメール、写真、位置情報等を絶えず政府や企業に提供している。グローバル規模の監視の中で暮らす私たちの、個人の自由について考える。
現代社会においてプライバシーを守る方法はあるのだろうか?私たちのネット上の行動はすべて記録され、保存されている。
一方で、政府や企業によるデータ収集は、民主主義と個人の自由を脅かすものであり、よりアクティブに自分たちの権利を守るべきだと主張する専門家も多い。元CIA職員、大手IT企業家、ハッカーなど、最前線にいる当事者たちの証言を交えて綴る。
原題:An Eye on You, Citizens Under Surveillance
制作:ARTE
France / INTUITION Films & Docs / Les Bons Clients (フランス 2015年)
■ビデオクリプ その1 0-1:09 その2 43:30-end
http://www.dailymotion.com/video/x36cdnt
★聞き取りにくいようなので「その1 0-2:46秒」の部分を文字おこしします。
「相手に気づかれることなく見張る、これが監視の精神です。
監視活動は昔から行われてきましたがこの10年あまりで様変わりしています。技術の進歩によって的を絞った監視から世界的規模の大量監視へと変わっているのです。
かつては公共の場所に限られていたのが、今や個人的な空間にまで監視の目が入り込んでいます。家のドアを閉めても遮断することは出来ません。
インターネットに接続された機器やソーシャル・ネットワーキング・サービスでのやりとり、スマートフォンの位置情報や検索の履歴などを通して私たちの情報はデータ化されています。そうなるともう制御は出来ません。個人情報はいとも簡単に丸裸にされてしまうのです。
ベルギー金融業協会が制作した注意喚起のビデオがそれを実証しています。これはあなたにも起こりうることです・・・
4人のハッカーがたった数分でこれだけの情報を得ました」
「その2 43:30-end」の通話シーンは「スマホの通話も丸裸だ。撮影拒否は無駄な抵抗だ!」
■ニュースヘッドライン
米ヤフーのメール監視報道で議論が再燃
NHK 2016年10月6日 (動画あり)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161006/k10010719711000.html
アメリカのIT企業ヤフーは、政府の情報機関に協力するため利用者のメールを監視していたと一部のメディアで報じられたのに対し、「誤解だ」とする声明を発表し、当局が求める情報提供にIT企業がどこまで応じるべきかという議論が、アメリカで再び活発になりそうです。
ロイター通信は4日、関係者の話として、アメリカのヤフーがFBI=連邦捜査局など情報機関の求めに応じて去年、「ヤフーメール」の利用者のメールの中身を監視するソフトウエアを開発し、監視を行っていたと報じました。
これに対してヤフーは5日、「記事は誤解だ。われわれのシステムにメールを監視するものは存在しない」という声明を発表しましたが、監視していたかどうかについては明言を避けました。
一方、この報道を受けてグーグルやフェイスブックなどほかのIT大手も、即座に声明を出し、「当局から同じような要請を受けた場合はすぐに断る」などと個人情報の保護を優先する姿勢を強調しています。
アメリカでは、ことし2月、テロ事件の容疑者が使っていたスマートフォンのロック機能の解除をめぐるFBIとアップルの対立が話題となりましたが、今回の報道をきっかけに情報機関への協力にIT企業がどこまで応じるべきかという議論が再び活発になりそうです。
日本のヤフーは「アメリカのヤフーは別会社でメールのデータも別々のサーバーで管理しているため日本の利用者は関係ない」とコメントしています。
認知に関与する要因
■ビデオクリップ
注意力実験
@注意attentionの要因
選択的注意selective
attention
重要な情報に注意が集中し
他の情報は無視(ないし抑制)される
A能動性の要因
アクティブタッチactive touch現象
→能動的な感覚
A 自己の持つ図式(スキーマ)に
対応する情報のみを抽出し
それ以外の情報を無視する
B 認識の過程は知覚像と記憶像の照合
が行われるが、この照合の手続きは
能動的な選択による
→認知過程とは、感覚知覚情報に
対し積極的な選択が行われる
◆認知心理学ユニークガイド本
菊池聡
超常現象をなぜ信じるのか
講談社、ブルーバックシリーズ
内容紹介(アマゾンサイトより)
「自分の目で見たこと」は信じてよいか?
UFO、虫の知らせ、星占い……。
科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。
しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない。
!超常現象の実在を信じてしまうのは、
人の思考システムの本質がかかわっている。
スマホ環境はパソコンクライシスを招くか
■トピックス
くらしナビ・ライフスタイル:パソコン使えない若者、増加
毎日新聞 2015年10月16日
若い世代でパソコンを使えない人が増え、話題になっている。IT企業ですら新入社員が使えず困っているケースも。スマートフォン(スマホ)の普及や、親・学校のパソコンへの理解不足、経済的に苦しい家庭が増えていることなどが原因と考えられ、就労のためにも技術習得の必要性が高まっている。
●スマホ普及が一因
「本日はこちらのエクセルの表を皆さんに作ってもらいます。まず、データを入力して、名前をつけて保存してください」
東京都立川市で若者の就労支援を行うNPO法人「育て上げネット」は、就職希望の若者へのパソコン講座「若者UPプロジェクト」を行っている。この日は、男女5人が参加。エクセルの基礎を教わった。
講師の斉藤あずみさんは、かんで含めるように説明するが、操作に不慣れでまごまごする受講者も。斉藤さんは「みんな熱心だが、思っている以上にパソコンの腕は十分でない。ここでパソコンの基礎を習い、働く自信をつけてもらえれば」と話す。
講座は今年で6年目。日本マイクロソフトと全国26団体が参加して、昨年度までに延べ3万人近い若者が受講した。いくつかのコースに分かれ、ワード、エクセル、パワーポイントの基礎から、ホームページの作成など一歩進んだ内容まで選べる。
育て上げネットが参加者に尋ねたところ、66%が「仕事でパソコンを使うことに自信がついた」と回答した。実際に受講3カ月以内の就労率は、受講していない人に比べて12・8ポイント高くなっている。
山本賢司理事は「学生時代までスマホだけだったため、パソコンのキーボード入力に不慣れで、パソコンがあってもゲーム、ネットだけでエクセルやワードを使ったことがない人が増えている。メールにしても、(無料通信アプリの)LINE(ライン)とビジネス用は違う」と、パソコン講座の必要性を語る。
高校では情報教科が必修になっているが、山本理事は「少し学校でやったけど身につかないうちに忘れてしまったケースが多い。派遣社員、正社員にかかわらずパソコンのスキルは必要で、パソコンの腕がないのは現代では貧困につながる。人生を豊かにするために技術を身につけてほしい」という。
●家計と利用率に相関
内閣府が今年2月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、スマホを利用している高校生は89%に上る一方、ノートパソコンは30%、デスクトップパソコンは16%に過ぎない。
また、内閣府の別の調査によると、米国の13ー17歳のネット利用者のうち、コンピューター活用が98%と携帯電話の64%を上回っている。英国でも12?15歳の92%がパソコンを利用しており、欧米に比べて日本の青少年のパソコン利用率は少ない。
経済協力開発機構(OECD)が今年9月に発表した15歳対象の調査では、欧米では家庭の経済状況と子どもの家庭でのパソコン利用率は差がないところが多いが、日本は経済的に豊かでない家庭では、利用率が下がっている。
学校でのパソコン利用率も調査42カ国のうち、下から2番目。こうした点から、家庭でも学校でもなかなかパソコンを利用できない層がいることが浮き彫りになっている。
●社会で使える授業を
民間研究機関「日経BPイノベーションICT研究所」の目次(めつぎ)康男主任研究員は、都内のITメーカーから「新入社員がパソコンを使えず、グラフもメールも書けない」と相談を受けた。調べたところ同様のケースが増えているという。
目次さんは、パソコンがないと社会で仕事ができないという意味を親が理解せず、子どもにパソコンを与えないことや、学校の授業がせいぜいワード、エクセルの初歩的な使い方にとどまり、応用的な使い方を教えていないことが背景にあると指摘する。「スマホだけではなく、パソコンも使えないと、グローバル競争が広がる中、社会人として生き抜くのが厳しくなる」と警告する。
さらに、「まず、親が子どもにパソコンを使わせるとともに、学校でもきちんと教えるべきだ」と指摘。たとえば論文を発表させることで、ワード、エクセル、パワーポイントから、検索の仕方、著作権の問題など総合的にパソコンを使いこなせるようになる授業を提案する。
企業はパソコンを使えない若者が増えていくのをなげくのではなく、それを前提に、内定者のパソコンレベルを調べて、研修で教え込むなどの対策が必要としている。【柴沼均】
認知の基本は記憶にある
■メカニズムはこちら
記憶のタイプ
1 感覚記憶sensory memory
1−数秒ほど保持される記憶
で視覚、聴覚
→情報貯蔵量は多いが急速
に消失する
2 短期記憶short-term memory
別名working memory(作動記憶)
容量は7±2(チャンクchunk)
秒単位で消失(20秒以内という)
3 長期記憶long-term memory
符号化;言語とイメージを
結びつけると固定しやすい
体制化;まとまりとして記憶する
記憶のまな板は・・・
■トピックス
思考のワーキングメモリー
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9711/memory.html
日経サイエンス 1997年11月
D. T. ベアズリー(Scientific American スタッフライター)
ワーキングメモリーとは,たった今意味のある情報に関する短期的で限りのある記憶のこと。私たちが文章を理解したり,以前に決定した行動計画に従ったり,あるいは,電話番号を覚える時に利用される。たとえば,ロシアの大統領の名前を心に思い浮かべるとき,その情報は,長期記憶から一時的にワーキングメモリーにコピーされる。
心理学的研究によって,ワーキングメモリーこそが,記憶している文脈情報にもとづいて論理的に考えたり判断を下す能力の基礎であることが示されてきた。ワーキングメモリーを理解したいという背景には,やむにやまれぬ人道的理由がある。最も深刻な精神疾患のひとつである分裂病は,部分的にはこのシステムの障害によって起こると考えられている。ワーキングメモリーの最も著名な研究者の1人であるエール大学のゴールドマン=ラキーチ(Patricia
Goldman-Rakic)は,分子レベルでのワーキングメモリーの研究は「精神病での薬物治療と密接に関係する」と述べている。
私たちがこの生き生きとした知的能力を使っているときに関与する脳の領域についての詳細な情報を得るために,精力的な研究が始まったばかりである。そしてワーキングメモリーを働かせる神経活動のパターンが解明されつつある。さらに,ワーキングメモリーに関与する脳化学物質の重要な役割もはっきりとしてきた。しかし,こうした進歩にもかかわらず,研究者たちはまだ,ワーキングメモリーがどのように制御され,統合されているのかに関して同意しているわけではない。 (本文より)
■ビデオクリップ
ワーキングメモリとは
記憶は消滅する
忘却とは
記憶痕跡減衰説
時間経過により脳の中の
データが消えて行く
干渉説
妨害、外乱による
→新しい情報との競合
検索失敗説
データがあるのはわかるが
呼び出せない(ど忘れ)
記憶のモデル
スクワィヤーによる記憶の分類
・陳述的(宣言的)記憶
物事を情報として覚える記憶
意識にのぼる記憶
→陳述的記憶はさらに
・エピソード記憶
・意味記憶
に分類できる
・手続的記憶
何かのやり方を覚える記憶
意識にはのぼらない記憶
→条件反射、技能記憶、習熟運動、認知的技能