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前回補足(スライド未提示、音声を改善)
ビデオクリプ 
”超監視社会”に生きる
http://www.dailymotion.com/video/x36cdnt
「その1 0-2:46秒」の部分
「相手に気づかれることなく見張る、これが監視の精神です。
 監視活動は昔から行われてきましたがこの10年あまりで様変わりしています。技術の進歩によって的を絞った監視から世界的規模の大量監視へと変わっているのです。
 かつては公共の場所に限られていたのが、今や個人的な空間にまで監視の目が入り込んでいます。家のドアを閉めても遮断することは出来ません。
 インターネットに接続された機器やソーシャル・ネットワーキング・サービスでのやりとり、スマートフォンの位置情報や検索の履歴などを通して私たちの情報はデータ化されています。そうなるともう制御は出来ません。個人情報はいとも簡単に丸裸にされてしまうのです。
 ベルギー金融業協会が制作した注意喚起のビデオがそれを実証しています。これはあなたにも起こりうることです・・・
 4人のハッカーがたった数分でこれだけの情報を得ました」

「その2 43:30-end」の通話シーンは「スマホの通話も丸裸だ。撮影拒否は無駄な抵抗だ!」

記憶の脳内メカニズム

研究法
1 脳の損傷による臨床的研究
2 fMRIなど画像処理法による研究

脳の部位と機能
海馬
 「意識的記憶」など記憶の基本に関わるデータの保存機能
前頭葉
 背外側部(前頭葉上部)
  作業記憶に関係する情報処理を行う
 眼窩部(前頭葉下部)
  感情を伴うもの、問題解決、社会的認知に関連する処理を行う
 ブロードマンの10野(上記の境界部位)
  海馬、扁桃体から情報を受け、視床下部に出力するという
  行為のプランと身体反応の連合に関与
その他記憶に関与するとされる脳の部位  
 大脳辺縁系(扁桃体を含む)
  これらは情動とも関係の深い部位とされる
 大脳基底核(大脳の深部にある)、小脳
  「潜在記憶」に関わる情報処理が行われる

大脳辺縁系limbic system
大脳の奥深くに存在する尾状核、被殻からなる大脳基底核の外側を取り巻くようにある。人間の脳で情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与している複数の構造物の総称である。たくましく生きるための生の営みを担っている。(ウィキペディアより抜粋)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%84%B3%E8%BE%BA%E7%B8%81%E7%B3%BB

大脳のカラーマップ
とは

資料
大脳のイラスト図 こちら
脳地図 コロラド大学カラー版 
こちら

帯状回 cingulum, cingulate gyrus
大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回。
帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりを持つ部位である。また前部帯状回(後述)は、不適切な無意識的プライミングの抑制に必要な、実効制御(executive control)と関わりを持つことが知られている。また呼吸器系の調整とも関わりを持つ。(ウィキペディアより抜粋)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%AF%E7%8A%B6%E5%9B%9E

ビデオクリップ
潜在記憶implicit memoryとは
→本人も気づいていないような記憶

潜在記憶/顕在記憶implicit memory / explicit memory
 潜在記憶の研究は,1980年代に入り本格的に始まり,現在,多くの研究者の注目を浴びている。その理由は,顕在記憶と比較して多くの異なる特徴,それも研究者の興味を大変そそる特徴があるからである。
 たとえば,次のようなことがあげられる。記憶が劣るはずの健忘症者でも潜在記憶は正常者と変わらない。顕在記憶では完全に忘却しているようなことでも,潜在記憶の測定をしてみると驚くほど長く保持されている。記憶事項の反復や符号化の方法などにより,顕在記憶は影響を受けるが,潜在記憶は影響を受けない。
 潜在記憶のさまざまな特徴は,どのように説明されるのであろうか。おもな理論としては,いくつかの異なる記憶システムを考え,その各システムの機能的違いにより説明しようとする説(複数記憶システム論)と,符号化と検索のプロセスにより説明しようとする説(適切処理転移論)がある。(心理学辞典、有斐閣から抜粋、1999)


日常生活と記憶 

1 展望記憶prospective memory
 「し忘れ」
  これからやろうとしている行為の記憶
  前を(pro)見る(spect)ような性質を持つ記憶)、意図の記憶
  →居間から台所へ来て冷蔵庫を開けたが、何取りに来たか忘れた
    2階あがったが、何をしにきたのかを忘れた
  →心理学、認知科学などの分野で研究
2 アクションスリップaction slip
  「し間違い」(あっ、しまった)
  →うっかりしていた、勘違いした
   新宿駅で八王子行きのつもりが東京行きのホームに行ってしまった
   出かける時にケータイ電話を忘れた
  →人間工学、ヒューマンエラーなどの分野で研究
3 ど忘れ
  おなじみ「知っているはずが思い出せない」
  情報検索(呼び出し)が出来ない
  →歌手の顔や持ち歌はわかるるけれど名前が出てこない
   連想やイメージを使って検索に成功する場合がある

「し忘れ」を防ぐアイデア
1 タックシール法
  「ポストイット(3M社)」などになすべきことを書き込み、
  必ず視線の行く場所に置き(ドアのノブそばなど)、
  実行とどうじにはがす(毎回はガスのが手間の場合1週間ごと
  たとえば日曜の24時00分にアップデート(張り替え)する。
2 環境デザイン法
  自分の行動パタンを客観的にとらえ、
  それにマッチングした生活環境に工夫をつける。
3 視覚刺激だけではなく聴覚や動作による刺激を活用する。
 
 →「指差呼称」の有効性は高い

4 セルフフィードバック法
  →気がついた時に自分自身宛にメールする

参考にした文献  梅田聡、「あっ、忘れてた」はなぜ起こる、岩波書店、2007を参考に記載

記憶違い、思いこみ、勘違いなどは日常的に発生する
→「うっかりミス」で起こる「事件」は身のまわり、巨大システムで常に発生する
  →人間の側に原因がある場合は・・・

ヒューマン・エラーhuman error
 広義において人間の失敗を意味する用語であるが,事故防止の観点から,その発生メカニズムの解明およびその効果的な防止策の構築は現代社会の主要な課題となっている。その代表的な定義としては,「システムによって定義された許容限界を超える一連の人間行動」(Swain, A. & Guttman, H. C.1983),「計画された心理的,物理的活動過程において,意図した結果が得られなかったときで,かつその失敗は他の出来事によるものでない場合を包含する一般的用語」(Reason, J. T.1990)などがある。
 前者は,人間をシステムの構成要素として捉え,外部環境の改善等からシステムの許容範囲を広げることでエラー低減を図るという人間工学的色彩の強い定義であり,後者は,人間個人内の,計画,意図から行為にいたるまでの心理的プロセスに焦点を当て,その発生メカニズムの理解からエラー低減を図ろうとする心理学的色彩の強い定義ということができる。

 多種多様に及ぶヒューマン・エラーの分類としては,現れたエラーの形態面から,オミッション・エラー(omission error, 実行すべき行為をしない),コミッション・エラー(commission error, 実行したが正しく行わない)に分類する法,エラーを情報処理過程に位置づけることにより,入力エラー(認知・確認のエラー),媒介エラー(判断・記憶のエラー),出力エラー(動作・操作のエラー)に分類する法などがあるが,特に認知心理学的観点からヒューマン・エラーを,スリップ,ラプス(lapse, 目標は正しいが行為の実行段階で誤るエラー)とミステイク(mistake, 目標の形成段階で誤るエラー)に分類し,スキーマの概念を用いてエラーの発生メカニズムを解明しようとする認知心理学的研究(例:Norman, D. A.1981 ; Reason, J. T.1984)が近年重要視されつつある。しかし,それらの研究は日誌研究に基づく記述的色彩が強く,注意の実験心理学的手法を適用することが期待される。
 安全対策を考慮するうえでは,ヒューマン・エラーは誰もがおかすものであり,かつそれは原因でなく結果であると位置づけることが重要である。その再発防止には,エラー発生の背景にあるさまざまな人的要因(hman factors)を分析すること,および得られた結果からたとえば四つのM,すなわちman(作業者個人,作業者間の問題など),machine(機械,設備など),media(情報伝達,マニュアルなど),management(管理,経営など)という幅広い観点から安全対策を講じることが重要である。(心理学辞典、有斐閣、1999)

ビデオクリップ
ヒューマンエラーとは

エラー発生の背景を分析する(本人の責任追及ではなく)
 エラーの種類
  ミステイク:予測の間違い

 
スリップ:外乱により行為の段取りがずれる


コメント
当事者責任と背景
当事者に明確な責任がある場合はヒューマンエラーとは言えない
例:疾病、飲酒・薬物使用、自殺など意図的行為、居眠り、ケータイ操作、
よそ見・不注意、その他禁止行為
しかし、現実には、「当事者責任」と「背景」の分離は困難なケースも多い


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