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インシデントとアクシデントについて
 インシデントincident
   思いがけない出来事、「偶発事象」で、これに対して
   適切な処理が行われないと事故となる可能性のある事象である。
   俗に言う「ヒヤリハット」

 インシデントレポート
   インシデントについての情報を把握・分析するための報告書を
   インシデントレポートという。
   「ヒヤリ・ハッと報告書」、「ニアミス報告書」
   とも表現される場合がある。
   (本来は出来事、事件、挿話)
   →きめ細かくデータを収集しデータベース化する

 アクシデントaccident
   医療におけるリスクマネジメントで取り扱う「事故」とは、患者だけでなく、
   施術者、来院者、職員の傷害を含む。
   →注射針刺し事故など


信頼とコミュニケーション

トピックス
一つの嘘で会社が消える 〜問われる企業倫理〜
テレビ東京 「ガイアの夜明け」より
2002年11月24日 放送
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/
 たったひとつの不祥事で、会社が破たん・縮小に追い込まれる。米国ではエンロンやワールドコム、そして日本では雪印、日本ハム、東京電力、三井物産…なぜ、企業の不祥事が相次ぐのか?コンプライアンス(法令遵守)が崩れた日本の企業社会で、企業が信頼を取り戻すためには何が必要なのか?
 番組では実際に起きた企業不祥事の検証や危機を未然に回避するための企業の取り組み、米国の事例などを取材し、それらを通して「企業不正」防止の現状に迫り、あるべき姿について探る。

ビデオクリップ
ジョンソン&ジョンソン社と信頼

資料
経営層によるリスクコミュニケーションの事例
タイレノール事件

大阪大学大学院工学研究科環境工学盛岡研究室 より
http://risk.env.eng.osaka-u.ac.jp/risk/rc26711.html
【事件の概要】
 1982年、シカゴ警察はシアン化合物によって死亡した7人の市民が直前にタイレノールを服用していたことを発表しました。タイレノールは国民薬と言ってよいほど普及していた薬で、この発表によって米国民は大きな不安に陥りました。タイレノールの製造元はジョンソン&ジョンソンの子会社でしたが、ほとんどの米国民は「タイレノールはジョンソン&ジョンソンが製造している薬だ」と思っていました。

【ジョンソン社の対応】
 この時点では、タイレノールにシアン化合物混入の疑いがあるというだけで、死亡原因かどうかは不明でした。この情報を受けたジョンソン&ジョンソンでは、経営者会議が召集され、対応を協議しました。会議は誰の反対もなく、すぐに結論に達しました。決議を受けて、当時のジェームズ・バーク会長は記者会見を行い、消費者に対して「タイレノールは飲まないように」との警告を発するとともに、混入の疑いのある製品の全回収を発表しました。
 バーク会長はその後も夥しい数のテレビニュースや記者会見に登場し、ジョンソン&ジョンソンが会社の利益ではなく、消費者の命を守ることを第一に考えているという態度を示し続けました。タイレノールの生産は中止され、販売をやめて小売店から製品が回収されました。消費者向けのホットラインが開設され、あらゆる情報を提供する姿勢を示しました。
 消費者から回収するために引換券が発行され、シアン化物を含まない新しい薬と交換できるようにしました。このときの回収費用は1億ドル以上に上ったといいます。 6ヶ月後、ジョンソン&ジョンソンは、異物混入ができないようにカプセルや包装方法を変更し、大規模な広告と売出しキャンペーンを行いました。これほどの事件であったにもかかわらず、タイレノールはそれまでの売り上げの90%近くを回復し、さらにバーク会長は「もっとも優れた経営者」として賞賛を浴びました。ただし、死亡原因がタイレノールに混入したシアン化合物だったかどうかは明らかにされませんでした。

資料
コンプライアンスCompliance(法令遵守)は、Johnsonianの 第一歩です道交法とて例外ではありません。 悪質違反・泥酔運転は、今後いかに会社にとって 貴重な人であろうとも『一発懲戒解雇』で臨みます(日本法人の新人研場面で告げられる、2002年当時)。

このように明快な契約表明は見事だと思います。もちろん契約がきちんと実行されてのことですが。

ジョンソン&ジョンソン社(アメリカ)は1886年に創業し120年余の歴史を持つ総合ヘルスケアの会社です
。同社は「我が信条」というユニークなポリシーを持つことでも知られます。
そこでは上から順に、顧客、社員、地域そして株主との信頼関係を重視すると主張しています。

アメリカの投資週刊誌バロンズ(ダウ・ジョーンズ社発行)2006年9月11日号によると「世界で最も尊敬される大企業」(運用者年次調査による)の1位に選ばれました。
「市原研究室掲示板2」より抜粋 こちら


ビデオクリップ
「バンドエイド」開発の歴史


資料
我が信条(ジョンソン
ジョンソン ジャパンより要約)
http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html

我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、
  看護婦、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての消費者に対
  するものであると確信する。
我々の第二の責任は全社員 ――世界中で共に働く男性も女性も ――
  に対するものである。社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳
  と価値が認められなければならない。
我々の第三の責任は、我々が生活し、働いている地域社会、更には
  全世界の共同社会に対するものである。
我々の第四の、そして最後の責任は、会社の株主に対するものである。
  事業は健全な利益を生まなければならない。


「信頼」への取り組み
 1 組織(国家、企業)レベルの対応
   「信頼感」の実践が大切(信頼性=スペックは問題ではない。
   また、単なるスローガンのみでは意味がない)。
   ユーザ、社員同士、地域、株主などと組織の関係をいかに
   構築し双方の「信頼感」を実践するか。

  
ョンソン・エンド・ジョンソン社日本法人の場合(2002年当時)
   新入社員教育の中で以下のメッセージが伝えられる、という。
    コンプライアンスCompliance(法令遵守)は、Johnsonianの
    第一歩です。道交法とて例外ではありません。
    悪質違反・泥酔運転は、今後いかに会社にとって
    貴重な人であろうとも「一発懲戒解雇」で臨みます。

   
(再掲)     
  
ジョンソン・エンド・ジョンソン社(米)
     創業100年を超えるヘルスケア総合企業。
     アメリカでは「信頼度ベスト企業」に選ばれているという。
     →日本ではバンドエイド、スキンケア、コンタクトレンズ
      などで知られる。医療専門家向け製品も手がける。
 
 2 個人レベルでの対応
     記憶のレベル、注意のレベル、実行のレベル
      注意の喚起、実行の喚起、結果の確認
      1 確認事項のメモ、掲示
      2 指差確認
      3 指差呼称
      4 実行確認

経営陣」、社員、顧客が情報を共有しているケース
→信頼とコミュニケーション
ビデオクリップ
ベン&ジェリース
→アイスの社会参加的アプローチ
http://www.benjerry.com/
スターバックスーヒー(米)
→社員に対する利益の公平分配による
サウスウエスト航空
→LCCの老舗といえる会社。社員参加型運営

http://www.southwest.com/


資料
ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の老舗は重大事故0を維持・・・

サウスウエスト航空
 1967年、エア・サウスウエストとしてテキサス州で設立され、1971年に3機のボーイング737を使用して運航開始した。その後、航空自由化政策(ディレギュレーション)とともに自力で路線網を少しずつ拡大したことに加えて、いくつかの格安航空会社を買収することでも路線規模を拡張しており、全米に路線網を持つ大手航空会社となった。
格安航空会社として知られ、後述するように徹底した人件費以外のコスト削減等が図られ、収益率は他社より高い。1973年以来、米国の景気の動向に関わらず黒字運営を続ける[4]全米で数少ない航空会社の1つである。また、ポリシーの1つとして「社員第一、顧客第二」を掲げており、米国の航空会社で唯一、アメリカ同時多発テロ事件を受けた航空産業冷え込みにもレイオフを行っていない大手航空会社でもある。2012年にはスイスの航空輸送格付け機関から「世界で最も安全な航空会社」の10社のうちの1社に選定されている。(ウィキペディアより一部引用、2016年11月)

かしながら・・・サウスウエスト航空のヒヤリハット事故

トピックス
米旅客機、空港間違えて着陸 短い滑走路で急制動
CNN 2014年1月17日
http://www.cnn.co.jp/usa/35042426.html
 乗客124人を乗せて米ミズーリ州の空港を目指していたサウスウエスト航空の旅客機が12日、誤って州内の別の空港に着陸するハプニングがあった。米連邦航空局(FAA)や米国家運輸安全委員会(NTSB)が原因などを調べている。
同機はこの日午後、シカゴのミッドウェー国際空港を出発し、ミズーリ州のブランソン空港に向かっていた。ところが着陸したのは同空港から約11キロ離れたクラーク・ダウンタウン空港だった。
クラーク空港は規模が小さく、滑走路の長さは約1140メートルと、ブランソン空港の半分程度しかなかった。
このためパイロットは同機が着地すると強くブレーキをかけ、滑走路が終わる約152メートル手前で機体を停止させた。地元消防局によると、けが人はなかった。
もし滑走路を外れていた場合、空港の外壁を破って幹線道路に突っ込むところだった。
(CNNより一部引用)

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