社会的背景
政治・宗教的状況の危機、社会的不安のなどが蔓延
→世界終末時の悪魔支配の徴候として、「魔女」と
名指しされた女性達がスケープゴートscapegoatにされた
★スケープゴートとは
身代わりのこと
古代ユダヤで贖罪の日に人の罪を負わせ荒野に放したヤギのこと
「魔女」とレッテルを貼られると
もはや死から逃れられない「論理」があった
拷問→自白→魔女・・・・→死
拷問→潔白主張→拷問・・→死
その後の「魔女」
現代も文学、美術、映像、メディアなどの世界に存在し続ける
なぜ女性か
魔女の起源が大地母神(母権的)といわれ、
一方 キリスト教が父権的であるため
対立が生じた、という説がある
→社会的弱者がターゲットに
魔女狩りとは
異教の神をあがめる人間はおろか、民間につたわる呪術や儀式をとりおこなったりする者も、ことごとく悪魔と契約をかわした闇(やみ)の勢力とみなすようになった。こうして16〜17世紀の魔女狩りの全盛期には、ドイツ、フランス、イギリスなどで、子供をふくむ多数の人間が魔女の名のもとに裁判にかけられ、処刑された。その犠牲者の数は数十万人にのぼるともいわれている。
魔女狩りの嵐は18世紀にはいるとようやくおさまり、魔女信仰はその後も根強く生きつづけた。イギリスで魔女禁止令が廃止されたのは、つい半世紀前の1951年のことである。
(エンカルタ総合大百科より抜粋、マイクロソフト社)
■用語(魔女狩りとの関連)
偏見prejudice
特定の集団に対する否定的な態度のこと。態度の三要素説によれば,認知・感情・行動が態度を構成する。偏見は認知的要素・感情的要素の複合体をさす。否定的な態度のうちの「行動的要素」に意味を限定したものが差別である。
偏見の「認知的要素」とは,対象集団の成員行動に関する信念や期待のことをさす。ステレオタイプは,偏見の認知的要素が集団成員全般に一般化されたものである。偏見というと否定的態度に意味内容が限定されるのに対して,ステレオタイプは肯定的態度の認知的要素も含む。
偏見が容易に生成されるのに対して,偏見の解消は困難な問題である。注意深く中立的に相手を判断するという態度は非常に大切である。特に偏見が強すぎる場合には偏見を制御する努力が不可欠になる。(心理学辞典、有斐閣、1999より抜粋)
■用語(魔女狩りとの関連)
差別discrimination
特定の集団に対する偏見に裏打ちされた敵意的な行動のこと。他の集団成員が普通に享受して当然な権利を剥奪すること。差別を維持する要因と解消するための方策にはどのようなものがあるだろうか。集団がうまく機能しなくなった場合などに生じる集団成員の欲求不満を解消するため,スケープゴートを設定し攻撃することは差別促進の一機制である。(心理学辞典、有斐閣、1999を一部引用)
■用語(魔女狩りとの関連)
異常abnormality
異常と正常を分ける統一的基準はないが,おおよそ以下の四つ,すなわち,(1)統計的基準,(2)社会的・理想的基準,(3)病理的基準,(4)能力障害(disability),が考えられる。統計的基準では,平均からずれの大きい人を異常と見なす。
平均からのずれは,平均を超えるものとそれより劣るものがあり,またある集団での平均が他の集団の平均とは限らないといったあいまいさがある。
社会的・理想的基準では,社会的基準あるいは理想的なものから隔たれば隔たるほど異常と見なす。しかし,社会によって異常の基準が異なることがある。
病理的基準では,臨床的に認められる症状の有無によって異常を捉える。すなわち,異常・正常は質的に異なるものと見なされるが,両者の差は量的なものであると考える立場もある。能力障害では,異常は,社会的能力,職業的能力,他者との関係をどの程度失うかによって規定される。しかしこのような能力障害はすべての障害(disorder)に必ずしも伴われているわけではない。心理学辞典、有斐閣、1999)
■用語(魔女狩りとの関連)
いじめbullying
「いじめ」を定義するとき,しばしば喧嘩との相違点から述べられることが多い。そうすることによって「いじめ」という概念の理解が容易になる。ここではあえて「いじめ」の定義は行わないが,近年の「いじめ」の特徴をいくつか列挙しよう。
(1)集団で寄ってたかってある特定の個人をいじめる。(2)「いじめ」に遭遇しても我関せずと傍観している生徒が多い。(3)先生や大人に見つけられないような狡猾・巧妙な手口で「いじめ」が横行している。(4)「いじめ」の方法が残忍かつ悪質であるので,いじめられた生徒が自殺に追い込まれるケースが目につく。(5)「いじめ」の理由が大方瑣末なことである場合が多い。(6)いろいろな意味で集団からはみ出た生徒(極端に内気,極端に動作が緩慢等)が「いじめ」の標的にされやすい。(心理学辞典、有斐閣、1999)
近代ヨーロッパの源流
2タイプの発想とは・・・
1 合理主義
知識の獲得において理性を重んじる哲学の思想体系。
デカルトなど
2 経験主義
すべての知識の起源を経験によるとし、生来の観念の存在を否定。
ロックなど
合理主義Rationalism とは
大陸合理論が代表的考え方
デカルト Descartes 1596〜1650
フランスの哲学者。解析幾何学の創始者
→座標の概念を発見した
■デカルト関連の図版はこちら
デカルトの科学観
近代の科学は、
自然を実験室の中に閉じこめることによって、
自然を単純化してその法則を発見する
(小阪、イラスト西洋哲学史1991より)
1「自我」について
徹底懐疑(とことん疑う)ことから見えてくる
「われ思う、ゆえにわれあり=cogito,ergo
sum(拉)」
一切の意識の内容は疑いえても・・・
1 疑うはたらき、
2 意識そのもの、
3 意識する「われ」の存在は確実だ。
→懐疑する主体を「自我」とする
→既成の権威を否定し、自分の頭で考え自ら判断する
→自分を客観的に眺めてみよう、という努力のこと。
■資料(デカルトとの関連)
自我Ego
自我とは、人が適応的に生きていくうえに必要なもろもろの精神機能をになった人格の中枢機関のことである。すなわち、外界を知覚してさまざまな状況を適切に判断し(現実機能)、対人関係をうまく調整して適応をはかり(適応機能)、内部に高まる欲求や感情を巧みに統制し(統制機能)、心理的な危機におちいることから自分をまもり(防衛機能)、自律的に生活しようとする(自律機能)等々の機能をになう。(エンカルタ総合大百科、マイクロソフト、2004より抜粋)