ニュースヘッドライン
カリフォルニアで飼い犬同伴認める企業増加、ストレス緩和に一助
毎日新聞 2017年6月9日
https://mainichi.jp/articles/20170608/reu/00m/030/007000c
[ロサンゼルス 7日 ロイター] - 米カリフォルニア州のテクノロジー企業の間で、飼い犬を職場に連れてくることを奨励する動きが出ている。生産性を上げ、ストレスを和らげ、職場の環境を良くするからだという。
 ロサンゼルスのサンタモニカとベニスビーチに囲まれた「シリコンビーチ」と呼ばれる一帯では、特に犬に好意的だ。
 人工知能分野のネット技術を手掛けるGumGum社では、犬は鎮静効果があるとして歓迎されている。ある従業員は「ここはストレスが強い。とてもハイペースな環境だ。犬はその緊張を和らげる」と話す。
ただ、犬が苦手という人もいる。同社では、犬から隔離されたオフィススペースも確保している。
 女性の服やアクセサリーの転売サイトを運営するTradesy社でも、職場での飼い犬同伴を奨励している。さまざまな犬種が会議に同席したり、机の下にいたり、膝に乗せて仕事をする女性もいる。
 同社の最高経営責任者(CEO)は、犬同伴の容認は従業員、雇い主どちらにもメリットがあるという。「犬を連れてくる従業員は、犬が会社にいると安心して長時間働くことができる」と話した。

トピックス
単語覚える能力、犬は3歳児並み−−ドイツ研究チーム発表
毎日新聞 2004年6月12日 東京朝刊
 犬が単語を覚える能力は人間の3歳児レベルだとする実験結果を、ドイツの研究チームが11日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。約200の単語を理解し、新しい単語を覚えていく過程も、人間の子どもに似ているという。
 犬はドイツの家庭で飼育されているボーダーコリー種の「リコ」(9歳、オス)。生後10カ月から飼い主によって、言葉で指示された物を持ってくる訓練を受けた。
 10個のおもちゃの中から指示された2個を持ってくる実験では、40回のうち37回成功した。リコが知っている単語はボールや靴下など200語に上った。また、知っている単語のおもちゃ7個に新しい単語のおもちゃを1個加え、リコに新しいおもちゃを取ってくるよう指示した実験では、リコは10回のうち7回で正しく持ってきた。この1カ月後に、名前を知っている4個、前回1回だけ名前を聞いた1個、全く新しい4個の計9個のおもちゃから、1回だけ聞いたおもちゃを持ってくるよう指示したところ、6回中3回で成功した。
 人間の子どもは新しい単語を聞くと、その意味をおおまかに推測して、記憶するとされる。リコは初めて聞く新しい単語が見たことのないおもちゃを指すと推測したらしい。研究チームは「3歳児の正解率に匹敵する」としている。麻布大獣医学部の太田光明教授(動物
人間関係学)は「1匹だけの実験なので、他の犬も同じかどうか疑問だ」と話している。【永山悦子】
ビデオクリック
ボーダーコリー「リコ」の学習実験
http://nationalgeographic.jp/nng/magazine/0803/feature01/_04.shtml
マックス・プランク進化人類学研究所の研究チーム (National Geographicより)

トピックス
赤ちゃんにも“同情する心” 京大などアニメで実験
京都新聞 2013年6月13日
 生後10カ月の赤ちゃんも、攻撃を受けている犠牲者に同情する行動を取ることが、京都大などの研究グループの実験で分かった。人は生まれつき「善」である可能性を示唆する結果といい、米科学誌プロス・ワンで13日発表した。
 グループは、教育学研究科の鹿子木康弘助教、文学研究科の板倉昭二教授、大学院生の奥村優子さんら。
 乳児に球体や立方体などが動くアニメーションを見せた後、同じ形のおもちゃを見せ、どちらに関心を寄せるかを調べた。
 他の物体を追いかけてこづいたり、押しつぶそうとする攻撃行為があると、乳児20人中の16人が攻撃者から逃げる「犠牲者」と同じ形のおもちゃをつかんだ。攻撃行為がないアニメだと、選ぶ物体に差はなかった。
 子どもは1歳半になって言葉を話せるようになると、言葉や表情などで同情的な態度を示すことが分かっている。成人に今回と同じ実験をすると、「強いから」と同情とは別の理由で攻撃者を選択する人が多かった。
 鹿子木助教は「人間の生まれ持った本質は、苦境にある他者に同情的態度をとる『善』である可能性が高い。文化や社会的な経験で、原初的な同情的態度から、より複雑な行動に変化すると考えられる」と話している。

用語
同情sympathy
 
共感と訳すこともある。他者が感じている感情状態を知覚し自分も同じ感情状態を経験することであるが,一般にその感情は悲哀とか苦痛といった否定的なものに限られる。たとえば,けがをして泣いている子どもを見て自分も同様の苦痛を感じたとすればそれは同情であるが,運動会で一等賞をとって喜んでいる子どもを見て自分もうれしくなった(肯定的感情)とすればそれは同情とはいわない。後者の場合は,共感性である。(心理学辞典、有斐閣、1999)

実験心理学の展開:生理学から心理学へ
環境の情報はどのように大脳に伝わるか
 感覚、知覚そして認知のステップ


ビデオクリップ
感覚と知覚ビデオ パート1(7分40秒まで、英語のみ)
https://www.youtube.com/watch?v=QZUEwGNe0tE
視覚情報は大脳で処理分析される


資料(部屋の枠組みと知覚)
エイムズのゆがんだ部屋Ames distorted room 
エイムズ(Ames, A., Jr.)が作った供覧用の実験室。ゆがんだ部屋は,単眼で観察すると部屋の内部が観察できる。部屋の実際の形はゆがんでいるが被験者は,そのことに気づかず,普通の長方形の部屋として知覚する。窓も実際はゆがんでいるが,長方形に見える。
そして,壁穴に近い点と遠い点に同じ背丈の人がいたとき,近い点にいる人の方が大きく見える。
我々の_知覚は過去経験,すなわち「部屋も窓もしかくい」という体験に一致するように知覚が構成されると解釈した。(心理学辞典、有斐閣、1999から抜粋)


感覚sensation
  環境刺激から受ける感覚受容器
  の生理的活動 
  ・視覚、聴覚、嗅覚、味覚、
   皮膚感覚(触覚はこの一部)
   →5感(官)という
  ・運動感覚、平衡感覚、内臓感覚
  →生理学的・反射的活動
   
知覚perception
 生活体が(感覚)受容器を通して,
 外界の事象や事物および自己の
 状態を直接的・直感的に捉える働き,
 およびその過程。
 →脳の活動が深く関与

認知cognition
 ・ラテン語のcognoscereで,
  「知ること」という意味
 ・環境を認識すること
  感覚、知覚、記憶、学習、思考
  の作用が関与する。

視覚情報の流れ

 視覚刺激
   ↓
 網膜で電気信号に変換
   ↓
 大脳で様々な処理
   ↓←過去の記憶情報
  視覚イメージの認知


図版
 知覚の過程(今田ら、心理学の基礎、1993より)
  図版はこちら

錯視visual illusion
知覚した世界(主観)と外界の物理現象(客観)との間には食い違いがあり、
視覚領域におけるものを錯視という。

錯視のサンプルはこちら

多義的図形と隠し絵のサンプルはこちら

錯覚・錯視の紹介サイト
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
こちら
ミューラーリアー図、エビングハウス図、
エーレンシュタイン図、呼吸する四角形

ビデオクリップ
感覚と知覚ビデオ パート2(8分02秒まで、日本語字幕表示可能)

https://www.youtube.com/watch?v=hDQ2TKh9Ziw
視覚の角度がずれたメガネの映像は学習により修正が可能
錯視、多義的図形、大きさの恒常性、文脈的効果など

日本語字幕表示法
 1 画面右下の「歯車(設定)」をクリック
 2 「字幕」をクリック
 3 「自動翻訳」をクリック
 4 「日本語」をクリック


資料(視覚情報の学習の柔軟性)
ストラットンの実験Stratton's experiment
 ストラットン(Stratton, G. M.1896,97)は,ものが正立して見えるためには_網膜像が倒立・逆転している必要があるかと問い,実験的に像を正立させるレンズ式_逆転眼鏡(右眼用)を8日間自ら着用して逆転視に変化が起こるかどうか調べた。その結果,眼鏡着用前と全く同じ知覚内容ではないが正立視が起こると報告。空間定位の知覚および動作的協応の経験的変容の可能性を示した。なお報告された正立視は除去後の逆転視(残効)がなかったことから,自己中心的正立ではなく主として環境的正立とみられる。(心理学辞典、有斐閣、1999から抜粋)


大きさの恒常性についてはこちら

視覚のメカニズム
 
刺激提示の文脈効果
 →同じ図形が「○○」にみえたり「□□」にみえる



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