性格特性論personality trait theory ★再掲
性格特徴のなかで,一貫して出現する行動傾向やそのまとまりを特性という。特性をパーソナリティ構成の単位と見なし,各特性の組合せによって個人のパーソナリティを記述する立場を性格特性論という。性格類型論がドイツを中心としたヨーロッパ諸国で発展したのに対して,特性論はイギリスおよびアメリカの研究者が中心となり,パーソナリティの基本特性の決定に因子分析を導入したことによって大きく発展した。R
. B. キャッテルの研究は,その代表的なものである。性格特性論では,個人間のパーソナリティの相違は程度の問題であって,質の問題ではないと考えている。したがって,各個人のもつ諸特性の量的差異が明らかになれば,それから各個人の性格特徴を詳細に読みとることができ,また個人間の相違を比較しやすい。しかし,その反面,人の統一性や独自性を捉えにくいという欠点がある。(心理学辞典、有斐閣、1999)