のページに戻るには左上の「ツールバー」の「戻る」ボタンを押してください
以下は予定です。変更になることもあります
資料(脳の全体像)
ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3

用語(生命の中枢)
脳幹brain stem
 中脳,橋(きよう),延髄をまとめて脳幹とよぶ。間脳を含める場合もある。生存するうえで欠くことのできない自律機能を直接制御している重要な部位であり,睡眠・覚醒レベルの調節,姿勢運動制御も行っている。本能行動や情動行動の運動性出力経路でもある。(心理学辞典、有斐閣、1999から一部抜粋)

用語(脳と内臓器官の関係)
自律神経系autonomic nervous system(自律神経の働きについて)
 機能の大部分が大脳の支配から比較的独立しているという考えから名づけられ,内臓器官などにある_平滑筋や心臓の筋肉さらに分泌腺を支配する神経系である。自律神経系は,交感神経系と副交感神経系とに区別される。
 交感神経は胸髄および腰髄上部の脊髄前根から発し,副交感神経は脳幹と第二〜四仙髄より出る。また節後線維末端シナプスにおいて交感神経の大部分ではノルアドレナリン,副交感神経ではアセチルコリンが主情報を伝達する。
 交感神経系と副交感神経系の機能は多くの場合拮抗的に作用する。一般的に交感神経はエネルギーを発散するのにつごうのよい方向に働き,副交感神経はエネルギーを蓄積する方向に働く。この拮抗作用により臓器の機能を調節し,活動状態をちょうど良い状態に保つ,いわゆるホメオスタシスを維持するように働く。この調節作用は非常緊急事態(戦闘・闘争・恐怖)において著明になる。(心理学辞典、有斐閣、1999)

配付資料
 自律神経系

用語(自律神経と疾患について)
自律神経失調症autonomic dystonia ; vegetative dystonia ; vegetative syndrome
 自律神経系の働きに支障が生じ,そのバランスが崩れたために起こる病的な状態。
 身体的,精神的な負担が加わると,交感神経系と副交感神経系の働きの調和が乱れ,種々の症状が出現する。具体的には頭痛,頭重,めまい,肩こり,動悸,息苦しさ,四肢のしびれ感,手足の冷え,ほてり,ふるえ,口渇,悪心おしん,嘔吐,下痢,倦怠感,腹部膨満感,頻尿などの多彩な症状が出現する。
 そのため自律神経失調症は不定愁訴症候群ともいわれる。また自律神経系のバランスは,いらいらの持続や不安などの心理的因子によっても崩れることがある。(心理学辞典、有斐閣、1999から一部抜粋)

ビデオクリップ
シーソーの失調で社内混乱(派遣会社のCM)


ニュースヘッドライン
自律神経を整え、脳も体も健康に
産経新聞 2017年5月7日
http://www.sankei.com/west/news/170507/wst1705070010-n1.html
 都市化や情報社会の進歩とともに生活は便利になりましたが、なんとなく慌ただしく落ち着かない世の中になってきました。そもそも人類は約50万年前に誕生して以来、本来は自然の中で生きてきた「動物」ですので、長い歴史の中でほんの一瞬に過ぎないこの文明社会で生きていくうえで、適応できないひずみが出てきている可能性があります。

 認知症、鬱や不眠症などの精神疾患、脳卒中や心筋梗塞などの血管疾患、高血圧、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病など、現代病といわれる病気が増加しています。また特に病気でもないのに脳や神経の異常を訴える人も多くいます。頭痛やめまい、ふらつき、不安感など、明らかな病気ではないのに起こってくるこれらの症状の多くには、何か共通の原因があるような気がしてなりません。

 自律神経という言葉は聞いたことがあると思います。心臓、肺、腸といったすべての内臓、さらには全身の血管やホルモンの働きなど、一言でいうと生命を正常に維持するために人の意識とは無関係に水面下で働いている神経ネットワークのことです。自律神経には体を興奮状態にする交感神経と安静状態に保つ副交感神経があり、この両者がうまくバランスをとってはじめて人間本来の機能が発揮されます。

 しかし、現代社会ではさまざまなストレスにより交感神経が優位に活動しやすい環境になっており、このような状態が長く続くことが現代病やさまざまな不健康状態を引き起こす要因になります。したがって副交感神経をいかに活動させるかが重要になってきます。

 古(いにしえ)より伝わる禅やヨガなどの東洋の思想では、ゆっくり呼吸をして瞑(めい)想(そう)するといった方法が取り入れられてきました。スポーツでもピンチの時にはゆっくり深呼吸をしろ、とよく言われます。

 肺は人が唯一意識的にコントロールできる臓器です。ゆっくり深呼吸する肺の動きに伴い、副交感神経を刺激して体全体をリラックスさせるとともに、脳に酸素を取り込み混乱した脳を落ち着かせることができるのです。

 慌ただしく不安な状態では体の動きも呼吸も早くなり、交感神経が常に興奮してさまざまな病気につながる可能性があります。できるだけゆっくりと落ち着いて生活すれば副交感神経が働き、健康につながります。まずは日常生活でゆっくりと深呼吸することを意識してみてはいかがでしょうか。
(和歌山県立医科大学 脳神経外科准教授 小倉光博)


ビデオクリップ
アルツハイマー病の芸術療法
 美術作品や生活環境デザイン

カハールの呪縛(じゅばく)
スペインの神経解剖学者ラモニ・カハールRamon y Cajalは
様々な動物の脳や末梢神経の標本を詳細に観察した(1904年度ノーベル賞)。
そして、脳や脊髄を構成する中枢神経のニューロンは再生ができない、とした。この説はその後約100年間にわたり生理学の定説扱いを受けた。しかし・・・
カハールの写真 こちら(ウィキペディア)

トピックス
脳の根治療法の可能性
ゲージ,H
.日経サイエンス2003、12月号

 
成人の脳にも自己修復能力があるならば、本来持っているその能力を引き出すのがベストな方法。 医師の処方した薬を飲むと、脳が刺激され、失われたニューロンを補う新たな細胞ができて神経回路が再構築される・・・これが究極の未来像。


トピックス
大人でも脳細胞は新生する (1999)
G. ケンペルマン/F. H. ゲージ
日経サイエンス 99/8 本文より
 

成人の脳は障害を受けると,残った神経細胞(ニューロン)の間で新しい結合をつくり,上手に機能を代償することがある。しかし,神経細胞そのもが再生することはない。というのは再生に必要な神経幹細胞がないからだ──つい最近まで,ほとんどの神経生物学者はこう固く信じていた。
 昨年11月,スウェーデンのイエーテボリにあるサールグレンスカ大学病院のエリクソン(Peter S. Eriksson)とカリフォルニア州ラホーヤのソーク生物学研究所のゲージ(Fred H. Gage)らは,成人脳においても,少なくとも,記憶と学習に重要な海馬においては,ニューロンが日常的に新生しているという驚くべき事実を発表した。
 新生ニューロンの数は,全体の数からすれば少ない。それでも,動物での最近の発見を考えると,この発見は,医学にある強い期待を抱かせる。現在のデータによれば,脳のほかの部位でも神経幹細胞は新生ニューロンを生み出している。また,別なほかの部位では幹細胞が存在するが分裂を休止しているようである。
成人脳は見かけ上,修復能が低いが,実際には,大きな再生能力をもっているのだ。
http://www.nikkei.co.jp/pub/science/page_2/magazine/9908/otona.html#writer(削除されています)

日経サイエンスのHPは
http://www.nikkei-science.com/

図版
 神経幹細胞については
こちら

ビデオクリップ
高齢者の脳再
 豊かな環境下では海馬の神経細胞の再生が促進される

 イェーテボリ大学のチーム(スエーデン)


図版
 
新生ニューロンの画像は
こちら

図版
 樹状突起の成長の画像は
こちら

資料
ゲージ博士が2008年10月に第13 回慶應医学賞を受賞(日本での受賞について)
紹介
Fred H. Gage(フレッドH. ゲージ)
Adler Professor, Laboratory of Genetics, The Salk Institute for Biological Studies, U.S.A.
1950 年10 月8 日生まれ
授賞研究テーマ 「哺乳類の成体脳におけるニューロン新生の生理的役割の解明」
中枢神経系の疾患や傷害は根治が難しく、成体哺乳動物においては、中枢神経系が一度損傷を受けると二度と再生しないと信じられてきました。ニューロン自体に分裂能がないことに加え、成体脳内にはニューロンを新しく産み出す幹細胞が存在しないためと長らく考えられてきたからです。

ゲージ博士は、ヒトを含む哺乳類の成熟脳の特定部位では生涯にわたってニューロン新生が起こっていることを発見されました。空間認識や記憶の中枢である海馬の歯状回には、持続的に分裂し、ニューロンやグリア細胞を生む神経幹細胞が存在し、恒常的に新しい脳細胞を生み出していることが示されました。

ゲージ博士の研究により、成体脳におけるニューロン新生が脳の構造と機能にとって重要な役割をしている事が明らかになるとともに、豊かな環境での生活や身体的運動によって成体脳ニューロン新生が活性化することも示されました。これらの研究は、神経系の再生医療実現への基礎となり、脳や脊髄の傷害および疾患に対する新しい治療戦略の確立に貢献すると期待されています。

http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2008/kr7a43000000g8zg-att/081002_1.pdf


inserted by FC2 system