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資料(神経システムと学習の関係)
ヘッブの法則Hebb's law
 ヘッブ(Hebb, D. O. 1949)は,学習や記憶が生じるためには,脳内の神経細胞のシナプスの可塑性がなければならないと予測した。
 具体的には,シナプスの連合強度(伝達関数)が,送り手と受け手の神経細胞の両方が同時に興奮した場合に高められるというアイディアである。これによって,たとえば,古典的条件づけを説明できる。
 図のように,ベル(条件刺激)を鳴らしてそれと同時に餌(無条件刺激)を与えた場合,餌のにおいと味によって唾液(無条件反応)が出る。このとき,B(送り手の神経細胞)もS(受け手の神経細胞)と同時に興奮することになる。
 そのことが,(もともとはほとんど影響力をもたなかった)BのSへの影響力(Bのもつシナプスの連合強度)を増加させるとすると,ベルに対して唾液が出るようになること(条件反射の獲得)を神経細胞のレベルで説明することとなる。この考え方は,記憶に関する生理学的研究をガイドするものとして広く用いられている.。(心理学辞典、有斐閣、1999)



ビデオクリップ
古典的条件付け(英語版)

https://www.youtube.com/watch?v=hhqumfpxuzI
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トピックス
『パブロフの犬』の脳内の仕組み解明
ハフィントンポスト 2014年12月01日
http://www.huffingtonpost.jp/science-portal/dopamine_b_5917578.html
 「パブロフの犬」の条件反射は20世紀初めからよく知られている。この条件反射が報酬によって起きる脳内の組みを、東京大学医学系研究科の河西春郎(かさい はるお)教授と柳下祥(やぎした しょう)特任助教らが約100年の時を経てマウスで詳しく解明した。
 脳神経細胞で起きるドーパミン系の報酬作用はわずか2秒以内で起きることを突き止めた。さまざまな依存症や強迫性障害などへの理解を深める新しい手がかりといえる。9月26日号の米科学誌サイエンスに発表した。犬にベルを鳴らしてえさを与えると、ベルを鳴らしただけで、犬がだ液を分泌するようになる。ロシアのパブロフ(1849〜1936年)が実験で発見した生理現象で、「パブロフの犬」と呼ばれる。こうした条件反射は、ヒトの行動選択の基本として広く研究され、利用されてきた。
 この「条件付け」は、神経伝達物質のドーパミンがヒトや動物の報酬学習に関与して起きるが、ドーパミンがどのような仕組みで報酬信号として働くかは不明で、最後の詰めの段階で謎が残っていた。学習が成立する際には一般に、グルタミン酸を興奮性伝達物質とする神経細胞のシナプスの結合強度が変わる。これをシナプス可塑性と呼ぶ。
 研究グループは最新の2光子顕微鏡と光遺伝学を駆使して、マウスの脳にある快楽中枢の側坐核で、グルタミン酸とドーパミンをそれぞれ独立に放出させ、シナプス可塑性に対するドーパミンの作用を調べた。マウスの脳の実験では、シナプスがグルタミン酸で活性化され、その直後の0.3〜2秒の短い時間枠でドーパミンが作用した時のみ、興奮性シナプスの頭部の増大が起き、シナプス結合が50分後まで強化され続けることを確かめた。グルタミン酸刺激の直前や5秒後に、ドーパミンで刺激しても、シナプス頭部の増大は起きなかった。
 動物の報酬学習には報酬を与えるタイミングが鍵を握る。ドーパミンが作用する短い時間枠は、実験で条件付けが成立するために、行動の直後に報酬を与えなければならない時間枠とほぼ一致した。この研究で、条件反射の神経基盤の仕組みが時系列とともに初めてわかった。研究グループは「側坐核は、ヒトの依存症や強迫性障害とも密接に関係する部位で、これらの精神疾患の理解や治療に新しい展望をもたらす」と期待している。
 河西春郎教授は「古典的な生理実験の『パブロフの犬』の解明が分子レベルで進んだ意義は大きい。覚醒剤やアルコールは快感物質として強い報酬学習を引き起こしてしまうので、なかなかやめることができない依存症になる。これまでの治療では快感の記憶を消せないため、再発しやすいことが問題となっている。今回の研究を発展させれば、快感記憶を消失する仕組みもわかり、依存症に対する新しい治療戦略が立てられるかもしれない」と話している。

研究の詳細は下記でアクセス可能(東京大学)
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140926.pdf

中枢神経系


資料
ニューロンneuron
ニューロン
は神経系を構成する単位で、神経単位ともよばれる。核と細胞質の大部分をふくむ細胞体(神経細胞)と、何本にも枝分かれする短い樹状突起および軸索とよばれる長い突起からなる。長い軸索は髄鞘(ずいしょう:ミエリン鞘)をかぶっているものも多い。とくに末梢神経系(まっしょうしんけいけい)では、シュワン細胞という細胞が重なってミエリン鞘とともに軸索をくるんでいる。また、髄鞘には一定区間ごとにランビエ絞輪という区切りがある。
 1つの神経細胞からだされた情報は電気信号になって、軸索をとおり、シナプスまでつたわる。シナプスから先は電気信号が化学物質にかわり、別の神経細胞の樹状突起へつたわる。
(エンカルタ総合大百科より抜粋、マイクロソフト)

配布プリント
ニューロンとシナプス


ビデオクリップ
ニューロンの構造 6:11
→記憶や学習による機能と構造の変化

資料

シナプスSynapse
神経細胞(ニューロン)の相互間の接合部位。連接部ともいう。脊椎動物の神経線維の末端はふつう細かく分枝しているが、シナプスではその分枝の先端がこぶ状にふくれ、次の神経細胞に接している。シナプスにおける興奮の伝達は、ふつう化学的におこなわれ、この部分に興奮が達すると、ここから化学物質が分泌され、次の神経細胞にはたらく。(エンカルタ総合大百科より抜粋、マイクロソフト)
図版はこちら

資料
樹状突起スパイン ―― コミュニケーションと情報保存のための脳内小構造体
理研−MIT脳科学研究センター
ピカワー記憶・学習研究センター
樹状突起機能制御研究チーム
チームリーダー Morgan Sheng
http://www.brain.riken.jp/bsi-news/bsinews28/no28/special.html
樹状突起スパインとは神経細胞の樹状突起から突き出ている小区画であり、脳のほとんどの興奮性シナプスの入力を『受信』しています。樹状突起スパインは脳の正常な成熟課程を通じて成長し、精神遅滞や認知障害など、人間の多くの神経病では失われたり異常に変形したりします。また、樹状突起スパインは可動性を備えており、動物の経験や脳の電気的通信に応じて数や形状が変化します。
]例えば、豊かな環境で育てられたラットは、刺激の少ない環境で生きているラットよりも多数のスパインを持っています。また、シナプスの刺激によって新しいスパインが生産されることもあります。このため、樹状突起スパインはシナプスの決定的な構造であると信じられています。樹状突起スパインの数、寸法、形状の調節は、シナプスの可塑性および学習と記憶にとって極めて重要である、ということは広く認められています。
(一部抜粋)

シナプス間隙
  シナプスは物理的に接続しているのではない。
  20−30ナノメートル(10万分の2ミリー3ミリ)のすき間(シナプス間隙)がある。


ビデオクリップ
能力
テストネズミ実験
→「頭を使えば」脳の老化は回復可能

参考ビデオ
脳の中の「点と線」〜神経回路とシナプスの謎に迫る研究最前線〜 (理化学研究所)
https://www.youtube.com/watch?v=oodw5Dok1JA

神経伝達物質Neurotransmitter 
  神経細胞と神経細胞をつなぐシナプスや、神経と他の器官
  (筋肉など)との連結部で、神経終末から分泌され、
  神経の興奮をニューロンや他の器官につたえる物質のこと
  生化学的にはホルモンと同じ。

  神経伝達物質(神経系)とホルモン(内分泌系)は
  生化学的には同一系であるが情報の伝達距離に違いがある
  →神経伝達物質は短距離
    ホルモンは血中経由で1メートル先まで影響するケースもある)

代表的な神経伝達物質
 1 アセチルコリン
 2 カテコールアミン類
   →アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン
 3 セロトニン
 4 GABA(ガンマアミノ酪酸)
 5 グリシン
 6 グルタミン酸
 7 ヒスタミン

 その他百数十種類あるとされる


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