のページに戻るには左上の「ツールバー」の「戻る」ボタンを押してください
以下は予定です。変更になることもあります
神経伝達物質の分類
 A アミノ酸類
   ガンマアミノ酪酸(GABA)、グルタミン酸、グリシン、タウリンなど
 B アミン類
   アセチルコリン、カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、
   アドレナリン)、セロトニン、ヒスタミンなど
 C 神経ペプチド系
  オピオイドペプチド(βエンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン)
   →
オピオイドとは「モルヒネ様」の意味。脳内にはモルヒネレセプタがある。
  タキキニン(サブスタンスP、ニューロキニン)
  サイロトロピン放出ホルモン(TRH)
  コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)
  ニューロテンシン(NT)
  その他

 
「アミノ酸類」と「アミン類」は古典的神経伝達物質という
 
神経ペプチド系は1980年代以降発見された。

古典的神経伝達物質と神経ペプチドの違い
   1 脳内での量的差異
       A 「 アミノ酸類」
       B 「アミン類」を
       C 「神経ペプチド」
         (A:B:C=100,000:1,000:1 量の比率 )
   2 働きの違い
      古典的神経伝達物質(A,B)は一度放出された後ト
      ランスポータ(再取り込み)により再利用される。
       神経ペプチド系は神経週末部で酵素で切断され
       (プロセッシング)放出される。再取り込みはされない


資料
グリア細胞とは

中枢神経系におけるグリア細胞の分化と機能
東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター より一部引用
http://www.dev-neurobio.med.tohoku.ac.jp/researchoutline/osumi/glial/index.html


グリア細胞はニューロン(神経細胞)とともに中枢神経系を構成する細胞です。哺乳類の脳では、ニューロンの数の数倍-数十倍のグリア細胞が存在し、その形態・機能によって、アストロサイト(星状膠細胞)、オリゴデンドロサイト(稀突起膠細胞)、ミクログリア(小膠細胞)、上衣細胞などに分類されます(図1)。
グリア細胞は、栄養・成長因子の供給や構造的な支持など、主に脳環境の恒常性の維持に寄与していると考えられてきました。しかし近年、グリア細胞は、ニューロン活性やシナプス形成の制御など、脳の活動に積極的に関与していることが報告されています。

ビデオクリップ
グリア細胞
 グリア細胞は神経ネットワーク形成に関わる作用をしている


脳と薬物の関係

資料
気分障害
mood disorder
気分の高揚ないしは抑うつといった気分変化を優勢な症状とする精神医学的障害であり,従来の躁うつ病,抑うつ神経症,情動性人格障害などを統合した概念である。アメリカ精神医学会の診断分類であるDSM-V-R(APA1987)で最初に用いられた用語であり,現在のDSM-W(APA1994)およびICD-10(国際疾病分類第10版WHO1992)に受け継がれた。これら以前の DSM-V(APA1980)では感情障害(affective disorder)といわれていたが,全般的かつ持続的な情動の変化を示すには気分障害という用語がより適切であるとして改称された。(心理学辞典、有斐閣、1999より引用)

うつ病と神経伝達物質
 うつ病はセロトニン減少が原因の一つ
 ゆえに、セロトニンの機能を強めるこ
 とで不安症状が軽減する 、という仮説がある
 →不安を軽減する作用
   →だだし服用を中断すると1−2週で 
     うつ症状が再発するケースもある 

ビデオクリップ
脳内薬品96
 1 ケース 
   →「夢の薬」?

ビデオクリップ
脳内薬品96
2 ストレスと脳
  →神経細胞を損傷
3 うつ状態と脳
  →SSRIの効果

4 猿モデル
  →セロトニンの作用


SSRIについて
(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
プロザック(商品名)などがある。
・主に抗うつ剤として欧米で広く使用されている。
・開発は 80年代。日本では99年6月認可。
 副作用が従来品より少ない。 有効例は6-7割という。

SSRIの模式図はこちら

トピックス
「抗うつ薬で攻撃性」副作用の疑い42件 厚労省調査
朝日新聞 2009年3月7日
抗うつ薬「パキシル」など4種類のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を服用した患者が、他人への攻撃性を増したり、激高したりするなど副作用が疑われる症例が08年秋までの4年半に計42件、医薬品医療機器総合機構に報告されたことが分かり、厚生労働省が調査を始めた。製品の添付文書の改訂を指示することも検討する。 
 厚労省によると、パキシルのほか、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフトについて、攻撃性、敵意や焦燥感を膨らませるといった報告が寄せられた。07年以降が32件に上る。暴力を振るうなど他人を傷つけるおそれのあるケースが42件中19件あった。同省はメーカー側に報告への見解を尋ね、専門家らの意見も聞いて検討する。 
 SSRIは日本で99年に承認された。脳内の神経細胞に情報を伝える神経伝達物質の働きを円滑にさせる効果があり、副作用が少ないとしてうつ病の治療に広く使われている。 
 パキシルは00年の販売開始以来の推定使用患者数が100万人を超え、国内のSSRI市場で約5割のシェア。製造販売元のグラクソ・スミスクライン社は「報告の集積状況を見て国とも協議しながら対応を考えたい」としている。他3社も同様の姿勢だ。 

 
薬害オンブズパースン会議は昨年5月、厚労省などにSSRIの使用実態を調べるよう要望書を出した。水口真寿美事務局長は「攻撃性が増すなどの副作用は海外でも報告があり、日本での報告は氷山の一角」と指摘する。 
 専門家の中には、SSRIの副作用でなく、元々の病気や医師の処方との関連を指摘する声もある。防衛医大の野村総一郎教授(精神科学)は「詳しいデータがそろっておらず、医学的評価は難しい。治療効果が上がっている患者が多いことを踏まえ、慎重な対応が必要だ」と話す。

うつ病の治療薬についての専門的情報
 「薬理学電子教科書」  岡波総合病院、大阪大学、院・医・情報薬理学 
  三木直正氏らによる電子教科書は以下のサイト参照

http://park12.wakwak.com/~pharma1/textbook/Antidepressant/Antidepressant.html
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
(selective serotonin-reuptake inhibitors, SSRI)
副作用が少ない。不安障害(パニック障害、恐怖性障害、外傷後ストレス障害、強迫性障害など)にも有効。Lithiumや他のserotonin作用薬との併用によりセロトニン症候群(錯乱、発熱、ミオクローヌス、筋硬直など)が生じることがある。

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
(serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors, SNRI)

第4世代薬であり、5-HT(セロトニンの前駆体)とNorepi(ノルアドレナリン)の取り込みを同程度に阻害し、他の受容体との親和性を示さないのが特徴である。抗うつ効果はSSRIよりも強く、5-HT1Aの脱感作が速いために、より速効性である。抗コリン作用はほとんどない。卒中後のうつ病にも有効。不安障害にも有効。

★抗コリン作用とはアセチルコリンの作用が遮断され、その結果便秘や口の渇きなどの副作用が現れる。

ビデオクリップ
非定形うつ病
→教科書にないタイプの事例


inserted by FC2 system