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以下は予定です。変更になることもあります
断眠実験
    アメリカの例:264時間断眠 
    日本の例:87時間断眠
    →眠れなくて死ぬ心配はない
     (時実、目で見る脳 1995)
写真:断眠実験の図版はこちら    

図版:断眠と精神機能
    フリッカーとクレペリンテスト
    で調べると断眠40時間程度
    では顕著な低下はない
     図版はこちら(時実、目で見る脳 1995)

家庭用の睡眠測定装置

睡眠計の例(タニタ社)
睡眠計スリープスキャンは、寝具の下に設置するだけで、あなたの睡眠の「状態」いわば“眠りの健康度”をきめ細かくチェックします。タニタならではのセンシング技術で眠っている間の“呼吸”“脈拍”“体動”といった眠りの特徴を分析し、その結果をパソコン上にわかりやすくグラフや点数で表示。毎日の睡眠状態をご自身で簡単に管理できます。さらに睡眠タイプ別に快眠アドバイスも行います。

http://www.tanita.co.jp/product/g/_TSL511WF2/
https://www.youtube.com/watch?v=WLrTE9nMa34(ビデオ)

脳機能の診断法(主たるもの)

 
・電気生理学的技法
   脳波(原波形)
   誘発電位(加算平均処理)
    a 刺激関連電位
      evoked potential
      感覚刺激による誘発反応(約50〜1000回の加算) 

    
b 事象関連電位
      ERP ;event-related potential


 
・画像処理技法
   CTスキャン (コンピューター断層撮影)Computed Tomography
   MRI(Magnetic Resonance Imaging)
   ポジトロンCT(Positron Emission Tomography)
   機能的磁気共鳴画像(functional MRI);fMRI

   脳磁図MEG :Magnetoencephalography


トピックス様々な場面における脳の活動を簡単に「見える化」する技術
トポグラフィー原理
この装置は、簡便に脳の働きを観察するものです。頭皮上から光ファイバを通して照射される近赤外光を使って、大脳の表面付近の血液量の変化を計測し、それを2次元的なマップに表わします。 計測と演算処理にかかる時間は0.1秒程度でできるので、リアルタイムの連続測定が可能です。脳のある部位が活動をすると、それに伴って、その部位に酸素を送る為の血液量が増大します。 この血液中のヘモグロビンによる近赤外光の散乱を利用して、酸素化および還元ヘモグロビン、またこれらの合計である、総ヘモグロビンーーーこれは血液量に対応しますがーーーの変化を求めるものです。これによって、大脳皮質の血液量の変化を観察できます。

測定原理の図版はこちら
(日立メディコサイトの情報から)

ビデオクリップ
電話と面談の差光トポグラフィー
→前頭葉の機能測定

資料
fMRIとは

fMRIの"f"は"functional"(機能的)、"MRI"は"Magnetic Resonance Imaging"(磁気共鳴画像)を示しており、 fMRIとは磁気共鳴画像装置を用いた機能(特に脳機能)についての研究を意味します。
どうやって脳の機能を研究するのか?
MRI装置の中で被験者が所定のタスクを行い、 タスク中の脳を高速撮影を用い計測することにより、 そのタスクと関連した脳の部位を推定します。 脳の活動状態を撮像するため、 脳神経細胞活動と関連した生理現象を利用しますが、 血液の酸素飽和度と緩和時間の関係を利用したBOLD法が最も有名です。
BOLD(Blood Oxygen Level Dependent)法
脳活動に伴い賦活領域において血流が20〜40%増加します。 神経細胞において酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)が還元され還元ヘモグロビンとなるのですが、血流の増加に対し酸素消費量は5%しか増えないことから、 静脈中の酸化ヘモグロビンの量が相対的に増加することになります。 また、酸化ヘモグロビンは還元ヘモグロビンに比べ磁化されにくいため、賦活領域では磁化率が減少し、磁気共鳴信号の強度が変化します。 タスク実行時と安静時の画像を比較し、磁気共鳴信号の変化を統計的に分析することにより、脳の活動部位を推定することが出来ます。

国際電気通信基礎技術研究所(ATR)より

http://www.baic.jp/fmri_j/main.html#fmri
(現在アクセスできません)

参考ビデオ
fMRIによる夢の研究(ユーチューブ)
http://www.youtube.com/watch?v=ar1Itso5piA

事象関連電位について
 ERP ;event-related potential
 被験者に課せられた種々の心理的作業(課題)の
 負荷によって惹起される脳波。
 ERPの各成分は・・・
 予期,注意,知覚,検索,意思決定,記憶
 などの認知過程に対応する大脳活動を反映

P300(P3):
 
頂点潜時300ミリ秒強の陽性電位,十数μV。
 →2種以上の刺激の弁別を必要とする課題で出現


図版:事象関連電位の測定図はこちら
F.C. Donders Centre for Cognitive Neuroimagingより
http://www.kun.nl/fcdonders/index.html
(現在アクセスできません)

ビデオクリップ
P300の測定例 NTV版 
→ポリグラフとP300による虚偽検査について


脳の機能を活用する

用語

ブレーン・マシン・インターフェース Brain Machine Interface
脳の情報を読み取って機械を制御する技術のこと。これが実現すれば、考えただけで思い通りに機械を動かせるようになる。本格的な研究は2000年ごろから始まった。話したり書いたりできない人が周りに意思を伝えられるような道具の開発などを目指し、動物実験などが進んでいる。だが、脳の情報を読み取るには今のところ大きな装置が必要で、しかも100%正確に読み取ることはできていない。また、機械とつなぐことによる脳への影響は未知の部分が多く、それがはっきりしなければ実用化は無理だといった指摘もある。 知恵蔵2013の解説( 高橋真理子 朝日新聞記者 )


トピックス
車椅子:脳波を読んで前進・右旋回・左旋回…理研など開発
毎日新聞 2009年6月30日
進みたい方向を脳波から読み取り、その通りに動く電動の車椅子を、理化学研究所やトヨタ自動車などの研究チームが開発し、29日発表した。前進、右旋回、左旋回の3種類の操作を、95%の正答率で実現した。障害者の行動範囲を広げる技術として注目される。

 研究チームは、「歩く」「右手を上げる」「左手を上げる」という3種類の動作を思い浮かべた際の脳波の違いを効率よく検出し、それぞれに対応して車椅子に「前進」「右旋回」「左旋回」の指示を出す計算システムを開発。脳波を読み取る電極を通常より少ない5個で試したところ、判別時間も数十分の1の0.1秒程度で済んだ。システムが指示を間違えた場合は、ほおを膨らませて停止信号を送る。理研BSI−トヨタ連携センターの山田整・客員研究員は「医療・介護分野に幅広く応用できるのでは」と話す。【西川拓】


ビデオクリップ
脳活動による制御

トピックス(免疫についての新展開)
今年の科学ニュース、1位はがん免疫療法の進歩 米誌
朝日新聞 2013年12月20日
米科学誌サイエンスは20日付で、今年の「科学10大ニュース」を発表した。1位は免疫細胞にがん細胞を攻撃させる「がん免疫療法の進歩」だった。現時点では最終的な効果は不明で、利点ばかり強調してはいけないとしながらも、一部の患者への臨床試験が大幅に前進し、製薬会社も多額の投資をしていることを理由に挙げた。
 そのほかの成果は次のとおり(順不同)。ゲノム編集技術▽次世代太陽電池の材料▽ワクチン設計の進歩▽脳の透明化に成功▽iPS細胞などからミニ臓器を作製▽宇宙線の起源は超新星の残骸▽人クローンES細胞の作製▽睡眠が重要な理由の解明▽人体にいる微生物と健康の関係

ニュースヘッドライン(日本生まれのバイオ薬品の効果は?)
がん細胞
免疫細胞の攻撃回避の仕組み解明

毎日新聞2016年5月24日
http://mainichi.jp/articles/20160524/k00/00m/040/123000c
京都大大学院医学研究科の研究チーム
 がん細胞が免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みの一端を、京都大大学院医学研究科の小川誠司教授(分子腫瘍学)らの研究チームが新たに解明した。新タイプの抗がん剤として注目される「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の効果がある患者を見分ける研究につながると期待される。23日に英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。
 体内には異物や外敵と闘う免疫細胞があるが、がん細胞は攻撃から逃れるため「PD-L1」というたんぱく質を作り、免疫細胞の「ブレーキ」を働かせる。オプジーボは「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれ、ブレーキがかかった免疫細胞に攻撃を再開させる作用がある。
 オプジーボは皮膚がんの一種「悪性黒色腫」や一部の肺がんの治療薬として承認されているが、効果があるのは患者の2-3割程度で、効くかどうかを事前に調べる効果的な方法が見つかっていない。薬価も高額で、一般的な体格の男性が1年間使い続けると約3500万円かかるという。
 研究チームは、胃がんや肺がんなど34種のがん、計約1万人分のがん細胞のゲノム(全遺伝情報)をスーパーコンピューターで解析。更にマウスを使った実験をして、PD-L1遺伝子に欠損など異常がある場合に免疫チェックポイント阻害剤を使えば、がん細胞が縮小することを確認したという。
 小川教授は「オプジーボがどの患者に効くかを知る第一歩。PD?L1遺伝子に異常がない人でもオプジーボが効く可能性はあるので、効果的な治療や医療費削減に向け、今後も更に研究を進めたい」と話している。【宮川佐知子】

用語(1980年代に誕生した新潮流)
バイオ医薬品biomedicine
朝日新聞 20111年11月17日
 遺伝子組み換えや、細胞の培養といった「バイオ技術」を使って生産する医薬品。従来の医薬の多くは化学合成でつくるが、バイオ医薬品は細胞や微生物に培養させてつくる。
 実用化されたものは、がんやC型肝炎に使うインターフェロン、糖尿病に使うインスリンなどがある。バイオ医薬品の一種の「抗体医薬」では、免疫の仕組みをいかし、がん細胞など病気のもとになる細胞を直接壊す。従来の医薬品にくらべて副作用が少ない効果が期待されている。

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