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以下は予定です。変更になることもあります
免疫は日常生活と密接に関係している
免疫immunityとは
 外から入ってきた細菌や異物を排除する機能のこと。
 自己→反応しない
 非自己→攻撃、排除する


ビデオクリップ

免疫力とカラオケ効果?
 
 ストレス発散は免疫力を高める・・・と推定
・化粧とNK細胞
  高齢者への「化粧療法」により免疫力が高まるケースがある

トピックス(アレルギー疾患の新展開)
粉症 飲み薬で体質改善 舌下免疫療法、保険適用へ
中日新聞 2014年3月4日
スギ花粉エキスを少量ずつ口に含み、アレルギー反応が出ない体質への改善を目指す−。そんな花粉症の新しい治療薬が厚生労働省に承認され、六月以降に特定の医療機関で保険適用による処方が始まる。ただ、最低二年間は毎日、服用を続ける必要があるほか、服用法を誤れば症状を悪化させる恐れも。患者自身が治療内容を理解し、開始時期などを慎重に判断することが大事だ。


用語
アレルギーAllergy
 アレルギーとは、卵や大豆などの食品、スギ花粉、ハウスダストなど、もともと生体にとって無害な物質(アレルゲン)に対して免疫系が過剰に反応して生体を障害するようになる反応を言います。代表的なアレルギー疾患には、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがあります。
 また、原因となるアレルゲンに注目して、花粉症や食品アレルギーなどと呼ぶこともあります。これらの疾患においては、それぞれのアレルゲンと特異的に反応するイムノグロブリンE(IgE)抗体が発症に関与し、アレルゲンがIgE抗体に結合するとヒスタミンなどの生理活性物質が放出されて、かゆみ、くしゃみ、鼻汁などのアレルギー症状が引き起こされます。アレルギー患者は年々増加しており、わが国では3人に1人が何らかのアレルギー症状を自覚しているとの報告があります。
 アレルギー増加の要因として、スギ花粉やハウスダストなどのアレルゲンの増加、ストレスや環境汚染などによる免疫バランスへの悪影響、さらに、正常な免疫機能の発達や維持に重要な腸内フローラの異常、などが指摘されています。
(健康用語の基礎知識、ヤクルト社)

資料
免疫(大辞林、三省堂、一般向け)
〔疫病を免れる意〕伝染病などに一度かかると、二度目は軽くすんだり、まったくかからなくなったりすること。生体が自己にとって健全な成分以外のものを識別して排除する防衛機構。細菌感染の防御のようにリンパ球が生産する抗体による体液性免疫と、移植片に対する拒絶反応のようにリンパ球自身が対象を攻撃する細胞性免疫とがある。

免疫mmunity(エンカルタ総合大百科、マイクロソフト一般向け)
 
特定の病原体やその毒素(抗原)に対して、生体が発病をおさえるような、とくに強い抵抗性をもつ状態をいう。これは、抗体が抗原と反応(抗原抗体反応)して、抗原の作用をおさえるからである。免疫は先天性免疫(自然免疫)と後天性免疫(獲得免疫)にわけられ、後者を利用して、種々の免疫療法がおこなわれている。先天性免疫は、白血球などの食細胞による食作用によるもので、異物に対する特異性はないが、後天性免疫の場合、特異性は大きい。

免疫(健康用語の基礎知識、ヤクルト社、(やや専門的)
 免疫とは、読んで字のごとく「疫病(病気)から免れる」という意味で、体内に病原菌や毒素などが侵入しても発病しない抵抗力が備わっている状態をいいます。免疫のしくみである免疫系には、生まれながらに備わっている防御機構(自然免疫)と、生後、病原菌や毒素などの異物と接することにより誘導される防御機構(獲得免疫)があります。
 自然免疫ではマクロファージ・好中球などの貪食細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などが重要な役割を担い、侵入した外敵をいち早く発見し、排除します。しかし相手が強すぎたときは、獲得免疫の出動を要請します。
 獲得免疫ではT細胞・B細胞などのリンパ球や抗体などの液性因子が主役を演じ強い攻撃力で敵を無力化します。また、免疫系には外敵だけでなく、自分の体内にできる異物であるがん細胞を抑える働きが備わっていて、発がんから体を守っています。


免疫システムの基礎知識
Msd マニュアル 家庭版
 2017年7月
http://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/15-免疫の病気/免疫システムのしくみと働き/免疫システムの基礎知識

 
人間の体には、体外から侵入した異物や危険物質、細胞から体を守るために、免疫システムが備わっています。このような異物や危険物質には、微生物(細菌、ウイルス、真菌など)、寄生虫、癌細胞、さらには移植された臓器や組織なども含まれます(免疫システムの基礎知識 : 免疫反応のしくみを参照)。
 こういった異物から体を守るため、免疫システムは体の一部であるもの(自己)とそうでないもの(非自己)を区別できなければなりません。
 非自己として認識された物質は、特に病気の原因になるなど危険とみなされた物質であれば、体の免疫反応を刺激します。このような物質のことを抗原といいます。
 細菌、ウイルス、その他の微生物、癌細胞などは、その細胞の中あるいは表面に抗原をもっています。
 また食物の分子や花粉のように、そのものが抗原であることもあります。免疫反応が正常に働いている場合は、潜在的に有害な異物の抗原を見つけ出し、防御力を活性化および動員して攻撃を行います。
 免疫システムがうまく働かず自己を非自己とみなすと、自分の体の組織を攻撃してしまい、関節リウマチ、甲状腺炎、全身性エリテマトーデス(ループス)といった自己免疫疾患を引き起こします。

トピックス(日常生活と免疫の関係は) 
ヘルシーレポート解消 免疫細胞の働き活性化
毎日新聞 2008.03.29 
 4月は何かとストレスが多い季節。新しい会社や学校への期待と不安、転勤や異動に伴う戸惑いなど、精神が不安定になりやすい時期だ。どうすればストレスに負けない免疫力をつけて、元気に過ごすことができるのかを考えてみたい。【小島正美】
 ◇過労は禁物、睡眠と運動を/乳酸菌飲料も効果的  笑うと元気になる。なぜだろうか。
 こんな試験がある。一般の人に笑いを誘うユーモラスなビデオを見せて、体内の免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラル・キラー)細胞の活性具合を調べたところ、笑って元気になった場合には、NK細胞の活性が上がることが分かった。
 逆に、ストレスが強く、感情が不安定な状態だと、NK細胞の活性は下がる。
 ■がん細胞を破壊  人の体内には、外部から侵入する病原菌や花粉などの異物を撃退したり、破壊したりする免疫細胞がいる。NK細胞はそうした免疫細胞のひとつだ。ほかにマクロファージや好中球などもいる。
 NK細胞の働きは、がんなどにも関係する。家系的にNK細胞の働きの弱い人たちは、がんの一種の悪性リンパ腫の発症率が高いという研究報告がある。また、埼玉県立がんセンター研究所の調査では、NK細胞の活性の低い人ほど、がんの発生率が高いという結果も出ている。
 こうした研究で分かるように、NK細胞はがん細胞を傷つけて殺す働きもする。
 ■バロメーター
 風邪をひきにくい人は、一般にNK細胞の活性が高いといわれる。NK細胞は自分の体の免疫力を測るバロメーターなのだ。
 では、どうすればNK細胞の活性を高めることができるのか。
 NK細胞の活性は日々変動する。ちょっとストレスがたまるだけでNK細胞の働きは弱くなる。高齢者と若い人を比べると、高齢者の方がNK細胞の活性は低い。
 奥村康・順天堂大学医学部教授(免疫学)によると、長距離トラックの運転手など昼夜逆転の生活を続けると、NK細胞の活性が低くなるという。
 このほか、喫煙習慣のある人、運動不足の人、睡眠不足の人、いつも悩みをかかえている人も、NK細胞の活性は低い。
 つまり、過労、睡眠障害や強い精神的ストレスなどライフスタイルに問題を抱えていると、NK細胞の働きは弱くなる。NK細胞の活性を高める基本は「よく眠る」「働き過ぎない」「適度に運動する」などだが、乳酸菌飲料を飲むのも一案だ。
 奥村教授らは、生活リズムの変化でストレスが生じやすいタクシー運転手を対象に乳酸菌飲料(乳酸菌シロタ株)を1週間飲んでもらい、NK細胞の活性が上がるかどうか調べた。  試験のやり方は、血液からNK細胞を取って、培養皿でがん細胞に触れさせ、NK細胞ががん細胞をどれだけ撃退するかを見る方法だ。その結果、乳酸菌飲料を飲んだあとは、NK細胞の攻撃力が高まることが分かった。
 このほか、喫煙者に乳酸菌飲料を飲んでもらったところ、NK細胞の活性が上がったという報告もある。
 また、膀胱(ぼうこう)がんを外科的に切除した表在性膀胱がん患者の再発率が乳酸菌飲料の摂取で下がったという疫学調査もある。
 ■腸内細菌バランス
 一方、腸内細菌のバランスをよくすることも免疫力の向上に役立つ。腸内には数百種類の細菌が100兆個もすんでいる。乳酸菌やビフィズス菌など有用な細菌、黄色ブドウ球菌やウエルシュ菌など有害な細菌、その中間的な大腸菌など、いろいろな細菌がバランスを保ちながら、私たちの健康を支えている。
 しかし、過労、酒の飲み過ぎ、食べ過ぎ、偏った食事、ストレスなどライフスタイルが悪くなると腸内細菌のバランスも崩れて、免疫力が落ちる。年をとることも細菌バランスを崩す要因だ。
 最近では、その名を知られるようになったプロバイオティクス(腸内細菌のバランスを改善することで人に有益な作用をもたらす生きた微生物)といわれる乳酸菌は、腸内細菌のバランスの改善を通じて免疫力を上げる働きをする。
 実は免疫細胞の半分以上が小腸に集まり、異物などを撃退する抗体の多くは小腸で作られる。奥村教授は「プロバイオティクスの利用は欧米でも盛んになっている」と腸の免疫を考えた生活スタイルを心がけたいと話している。<イラスト・勝又雄三>

用語
ストレス免疫訓練stress inoculation training 
 ストレスに対する適切な対処(コーピング)行動を身につけるとともに,ストレスに関連する諸問題を予防するための行動を学習し健康な生活習慣を獲得することをねらった指導プログラムをさす。自律訓練法や筋弛緩法,呼吸法等を用いたリラクセーション・トレーニング(弛緩訓練)による心身の機能調整スキルの訓練などがある。 (心理学辞典、有斐閣、1999から抜粋)

トピックス(極端行動は危険な落とし穴)
体にいいこと実践するほど高血圧に
 慈恵医大調査  [毎日新聞より抜粋2002年10月19日])
「適正体重を維持する」「7〜8時間の睡眠時間」「朝食を毎日食べる」「間食をしない」など、一見健康によさそうな生活習慣を数多く実践すればするほど血圧が高くなるという結果が、東京慈恵会医科大健康医学センター(和田高士センター長)による7000人規模の調査で明らかになった。和田センター長(内科学)は「きちんと生活習慣を守ろうという意識が強すぎ、緊張状態で血圧が上がったのではないか」と話している。・・・・・・ 
同センター長は「数の多い健康習慣を必死に守ろうという意識が交感神経を刺激し、逆に血圧を上げている可能性がある。これに対し、センターが提唱する生活習慣は、休日の消化などストレス発散の要素があり、それが血圧の低下に効果があるようだ」と話している。

トピックス(心理的ストレスはやはり要注意)
ストレス胃潰瘍
胃潰瘍患者の9割でピロリ菌が認められる。
 毎日新聞から抜粋、6/10/03(厚生労働省研究班、座長、管野健太郎)
 胃潰瘍の原因はヘリコバクター・ピロリ菌(1982年にオーストラリアで発見)とされる。この菌は強酸性の胃壁内でもアルカリ性のアンモニアを創り酸を中和する作用がある。その結果胃粘膜の機能が落ち、胃壁が胃酸により傷つき潰瘍になる。
 心理的ストレスは胃粘膜の働きを低下させるため、ストレスにより胃潰瘍はより悪化する。なおピロリ菌除菌により9割の患者で除菌に成功しその8割で潰瘍の再発はなかったという。また、ピロリ菌がいるからと言って、すべての人が胃潰瘍になるわけではない。
   

ニュースヘッドライン 
キラーストレス その1
NHKスペシャル 2016年6月17日、18日
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160618
 激動の社会の中、高まるばかりのストレス。国は、職場でのストレス検査と検査後の対策を企業に義務づけるなど、本格的なストレス対策に向けて動き出した。調査によれば、「仕事でストレスを感じている人」は80%を超えるというデータもあり、社会を取り巻くストレスは深刻だ。
 このシリーズが特に注目するのは、私たちの命を奪う可能性のある、いわば「キラーストレス」とでも呼ぶべきストレスの存在だ。脳科学や生理学など最先端の研究は、ストレスが人の体に「ストレスホルモンの暴走」を引き起こし、脳細胞や血管を破壊して、人を死に追い込む詳細なメカニズムを明らかにした。さらに「乳がん」の研究から、がんの進行とストレスとの密接な関係が浮かび上がってきた。
 これまで漠然と語られてきた“ストレスによる病の実態”が、具体的に明らかになってきたことで、私たちがリスクを食い止め、ストレスを予防的に対処する方法も、鮮明に浮かび上がってきている。
シリーズ第1回は、キラーストレスと体の関係に迫り、どうすればストレスによる死を未然に防ぐ事ができるのか探っていく。

キラーストレス その2

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160619
 私たちの命を奪う可能性のある「キラーストレス」。第2回は、最新科学によってその効果が裏付けられた、誰にでも出来る画期的なストレス対策に迫ってゆく。
今世界で、ストレスを減らすためのあるプログラムが広がっている。欧米の名だたる大企業が次々に導入。
 学校でも、そして刑務所のような場所でもこのストレス解消法が使われている。最新の脳科学でも驚くべき効果が実証されたこのプログラムとは?そして、なぜ効果があるのか?一方、宇宙空間では、これとは別のストレス対策が大きな成果を上げている。宇宙飛行士たちが取り組むこの方法とは?
今、世界が本気で取り組み始めたストレス対策。その背景にあるのは、ストレスが原因とみられる心と体の病の急増だ。番組では、今世界で始まった「ストレスをめぐる意識革命」、そしてその具体的な方法論を最前線から報告する。

ビデオクリップ
全体動画
http://www.dailymotion.com/video/x4hcxme

19分00秒から26分40秒
  コーピング(ストレス対処法)は、あらかじめストレス対策をリストアップし、効果のあった対処法を自己判断する。ストレスの観察・対策を意識的・徹底的に繰り返す。
 また、広島大学のグループは、うつ病の予防するコーピングとして、「気分が上がる行動」をリストアップし、試した行動の「達成感」と「喜びと楽しみ」を10点満点で自己評価し、点数をつけて客観的にわかるようにする。その結果「気分と行動の関係に気づく」。そして、その行動が良かったら今度行動を繰り返して習慣化していくことが重要になってくる。
 なぜこうした方法が効果を上げるかについて、「ストレスに反応して扁桃体が活動する時に前頭葉の一部(認知に関係)で自分のストレスをしっかり認知しながら対策を繰り返したことで、前頭葉が活性化して扁桃体の活動を抑制し心の健康を取り返すと考えられる。」
 「車のアクセルとブレーキみたいなもの。そんなに大きく反応しなくていいよ、と扁桃体の活動に前頭葉がブレーキをかけるようになると思う(アンソニー・キング氏、ミシガン大学)」



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